おたすけ塾信仰エッセイ(中西友宏)

おたすけ塾ー東京・埼玉篇 塾生道中記

「ならん理を積む」「夫婦仲第一」

南紀分会委員 中西友宏(勢加)

去る九月三日から九月五日の三日間、天理教本芝房分教会で行われているおたすけ活動をこの目で見て、また肌で感じようと、第一回目のおたすけ塾に参加しました。

とてもとても刺激的な三日間であり、カルチャーショックというものをおそらく人生で初めて経験したのではないかなと思います。それほど衝撃的で、自分の人生に影響を与えるほどの経験、学びを得させていただきました。

まず、どうしてこのおたすけ塾に参加しようと考えたのか、そこから書いていこうと思います。

私は教会に生まれ、後継者としての立場にありますが、道一条ではなく、社会人として働きながら生活をしています。働く中では、「はたはたの者を楽にするから、はたらく(側楽)と言うのや」というおやさまのお言葉を意識していますが、現実は厳しく、トラブルが発生したり人間関係が大変だったりと、なかなかうまくいかないことも多いです。それは、かしものかりものの理から考えると仕方のないことなのですが、やはり私も人間でありますし、精神的に摩耗した状態になっていました。同時に、仕事をしながら日々を忙しく生活している中で、「天理教信仰者としての活動、人だすけの活動のほうは全然できていないなー。」と思い、フードパントリーやこども食堂など、何か福祉系の活動をしたほうがいいのではないかと考えるも、摩耗した自分に鞭打って活動することは至難の業でした。そして、「やっぱり無理なのかなー」と、さらにネガティブな思考ループに陥るといった有様でした。

そうした現状をなんとか打破したいと考え、おたすけ塾に参加することで、自分自身の考え方やおたすけ活動の方向性など、何かを変えるきっかけをつかめるかもしれないと思い、参加することを決めました。

そんな希望を抱きながら参加したおたすけ塾では、自分の想像をはるかに超えた、明るく生き生きとした雰囲気に満ちた教会の風景を見ることができました。そして、そんな素晴らしい教会の会長様が私たち塾生に向けて深い親心に溢れたお話をしてくださったおかげで、今後の人生において指針とするべきものを得ることができました。

その指針とはどういったものだったのか。私が会長様のお話から、自分の指針としていこうと特に感銘を受けたことは、「ならん理をつむ」ことと「夫婦仲第一」という、この二つの考え方でした。

まず、「ならん理をつむ」ことについてですが、これは会長様が、誰もが一生にをいがけを続けられるようにとの思いを持って、「ならん理をつませていただきましょう。」と教会の皆さんにお話しされていることでした。例えば、戸別訪問でしたら、たとえピンポンを押した後に断られても、にをいがけに歩く姿を神様はご覧になっておられるから、理は積みあがっていく、という内容のお話でした。「なる理をつむことは難しいけれど、ならん理をつむことなら誰でもできる」と、この言葉を聞いた瞬間、私は肩の荷がストンと下りた気がしました。私はこれまで、にをいがけをするにしても「なんとか話を続けるために、気張って声をかけないとダメだ」というふうに思っていましたし、冒頭に書いたように、福祉系の活動も「自分は仕事で苦しい状況でも、人だすけの活動ができていないのだから、頑張らなあかん」とか、そういうふうに考えていましたが、この言葉でそういった考え方は吹き飛ばされました。

にをいがけでも仕事でもなんでも、神様をひたすらに信じ、一つ一つのことに対して「ならん理をつませていただこう」という気持ちで望んでいけば、あとは神様にもたれて、心配することなんか何もないのだ、と考え方が変わりました。

もう一つの「夫婦仲第一」ですが、これまで私は夫婦で仲良くすることが一番だと思っていましたが、これについても会長様のお話により新しい視点を得ることができました。講話の中で会長様は、夫婦で仲良くすることだけが「夫婦仲第一」ということではないよ、夫婦の仲を治めることが大事なんだよ、とお話をされており、なるほどと感じ入りました。加えて会長様から、妻の話をとにかくよく聞くことが大切だよ、との助言もいただき、自分は毎回妻の話をちゃんと聞けていたかなと思い返してみると、あまり聞けてない時もあったなー、と反省しました。

本芝房分教会の雰囲気や、皆さんの生き生きとした様子を見ていると、「夫婦仲第一」という軸を持つことは間違いなく物事を良い方向に向かわせると感じたので、すぐに実践しようと思い、おたすけ塾から帰ってきてから自分なりに実行に移しています。すると、家の中の雰囲気が以前よりも少しばかり明るくなりました。学んだことを実行に移したことが自分の心にポジティブな効果をもたらし、雰囲気が良くなったと感じることができたのかなと思いますし、見える景色も自分の心次第、人との関係も自分の心次第、ということを実感することができました。

今回のおたすけ塾を通して、「ならん理をつむ」、「夫婦仲第一」、この二つの考え方を学ぶことができたおかげで、おたすけ塾に参加する前よりも自己肯定感が増し、仕事においても家庭においても、日々の暮らしの中で感じる充実感が徐々に強くなってきて、本当にありがたい経験をさせていただいたと身に沁みて感じています。

また、本芝房分教会では、会長様による講話の他、青年会本芝房分会の方々と合同でのにをいがけや教会の施設案内など、様々な経験をさせていただきました。それらを通して感じたことは、教会とそこに繋がる皆さんに宿る明るいエネルギーでした。私もそんなエネルギーに満ち溢れた教会をつくっていきたいな、と夢を持ちながら、焦ることなく少しずつ、前に進み続けていきたいと思います。

最後に、本芝房分教会の皆さま、おたすけ塾に送り出してくださった皆さま、おたすけ塾にご協力いただいた全ての皆さまに対して感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

巣鴨駅で路傍講演の様子

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Translate »